『戦後の日本映画界を担った『けんかえれじい』の鈴木清順監督、『忍ぶ川』の熊井啓監督、『父と暮せば』の黒木和雄監督などの名監督の、数々の作品で美術を担当した巨匠・木村威夫。本作『夢のまにまに』は、今年90歳を迎えた木村の長編劇映画デビュー作です。 映画学校の学院長・木室創と、学生・村上大輔の世代を超えた交流。そこで浮き彫りにされる木室と妻、老夫婦の過去。木村威 夫の決定的体験となった戦争を見据えながら、老いと若さ、男と女。生と死を、象徴的にめくるめく映像美で表現しています。また木室と、病を抱えて苦悩する 青年・村上との出会いに、かつて戦争で散っていった若者たちの命を重ね、失われた青春の慟哭が痛切な思いで描かれています。

出演者は、主人公 木室創役を、大御所・長門裕之。その妻・木室エミ子役を、7年ぶりに映画出演を果たした、有馬稲子が迫 真の演技をみせます。そして、木室創と交流する学生・村上大輔役に、ミュージカル界のプリンスこと井上芳雄。物語のキーとなる女性に、日本を代表するトッ プ女優、宮沢りえ。若き日の木室役に永瀬正敏、若き日のエミ子役に上原多香子、闇屋役に浅野忠信、村上大輔の母親役に桃井かおり。葛山信吾、南原健朗、高 橋和也、エリカ、小倉一郎、鈴木清順ほか、個性豊かで魅力的なキャストが揃いました。そして、昨年惜しまれながらも急逝し、本作品が遺作となった能楽師・ 観世榮夫が作品に重みを与えます。